著作権と所有権の違いはなにか?NFTで誤解されやすい大切なポイント!

NFTとは?

著作権と所有権はよく混同してしまうことがありますが、間違えないようNFT売買でも理解しておきたい重要なポイントです。NFT(Non-Fungible Token)は「代替不可能なトークン」なので、何かしらの権利を手にすることだと解釈する人も。

しかし果たしてそれは著作権なのか所有権なのか、失敗しないために知っておきたいことを詳しくご解説していきましょう。

 

著作権とは何か

著作権と所有権の違いはなにか?NFTで誤解されやすい大切なポイント!よく「著作権の侵害」という言葉が聞かれ、トラブルになることがありますが、この著作権とはどのようなものなのかまずはご説明していきましょう。

 

著作権について

絵画、音楽、小説、アニメなど、普段私たちが何気なく楽しんでいるこれらのものを「創作」した人がいます。創作者が自分の感性や気持ちなどを形にして表現したものは「著作物」と呼ばれるもので、創作した人が「著作者」、法律で著作者に与えられるものが「著作権」です。

なぜこのような権利があるかというと、著作物を作るまでの苦労や努力が無駄にならず、文化が発展するように著作物を正しく利用するため。法的に著作者の権利を与えることで著作権が保護されているのです。

 

著作者の利益を守ること

著作権とは、作品を作った人が得るべき利益を守るための権利です。著作権に関するルールは「著作権法」という法律で決められており、著作物を利用した人が著作者に対して使用料を払う仕組みがあります。

この使用料は利益となるだけでなく、著作者の今後の創作活動にも役立つものに。たとえば創作された音楽をテレビやラジオで流したら、放送した人は創作者に使用料を払うことになります。

CDを購入、曲のダウンロードなどの代金にも著作物の使用料が含まれているのです。このような利益を守ることは、文化的に豊かに暮らす生活に欠かせないことで、お互いに助け合い文化発展させるということが著作権を守る意味になっているのです。

 

著作物にはどんなものがあるか?

著作権の対象になる「著作物」には色々な種類があります。まず小説や脚本などの言葉で表現された著作物。自分で書いた作文も著作権の対象になるといわれています。

音楽なら曲や歌詞、バレエやダンスの振り付け。さらに絵画や彫刻などの美術的な著作物や芸術的な建築、学術的な図面、写真、映画、コンピュータプログラムがあります。

これらの著作物以外にも「二次的著作物」と呼ばれるものがあり、絵画のようにオリジナルをもとにして創作されたものが対象に。小説なら外国語を日本語訳にしたものは二次的著作物になり、雑誌や新聞などは編集著作物です。

コンピュータで検索するものはデータベース著作物として保護されているので、とても幅広く対象になっていることがわかります。

 

著作権があるとどうなるか?

著作権はさまざまな権利を細かく定めており、著作物を使用する場合には「許可」が必要です。著作権は財産権とも呼ばれ、著作物をコピーすることは違法になります。

他にも勝手に譲渡、貸与、展示することはできませんし、著作権を持つ人は自分の原作から作られた二次的著作物を利用する権利もあります。他には著作者の許可なしに大勢に公開したり、著作者の名前を公表したりすることは著作者の人格権の侵害に。また著作物を著作者の了解なしに手を加えることもできません。

 

所有権とは何か

著作権と所有権の違いはなにか?NFTで誤解されやすい大切なポイント!著作権と所有権の違いですが、感覚的に似ている部分も多いですよね。間違えないように理解しておきたい所有権についてご説明しましょう。

 

所有権とは?

所有権というものは、特定の物を自由に使用して収益を得たり処分したりできる権利のことです。所有権の特徴は時効により消滅しないこと。わかりやすいものを参考にすると、所有権が関連する「土地の権利」の場合ですが、所有権があるとその土地を好きに処分でき、購入した不動産関してはなんの制約も受けない権利が所有権となります。

不動産の場合なら所有権と借地権と呼ばれる権利があり、借地権は建物を建てる人が地主から土地を借りて使用する権利のこと。土地の使用はできますが、所有権ではないため土地の処分はできないことになります。

所有権とはこのように所有物を独占的に支配できる権利で、物権の中でもとても効力が強いといえるでしょう。

 

所有権を取得する流れ

所有権は土地だけでなくあらゆるものが対象になり、普段の生活内で私も無意識に所有権を取得しています。最も身近にあるのは物を買った場合で、代金を支払い購入したものは購入者が所有権を持つことになります。

同様にもらったものにも所有権がありますので、あげた人からもらった人へ所有権が移転することになります。たとえば所有者がいないもの、野生動物などは捕獲した人のものになり、所有権の原始取得と呼ばれています。

所有権は対象物の移動により変わっていきますが、物が消滅してしまうと所有権も同時に消滅することになり、所有権の消滅や移動に関しては細かく法的に整備されています。

 

落とし物の所有権

よくお財布を拾った人が所有権を取得できるお話がありますが、あらゆるケースで関連する権利のため、トラブルにならないためにも専門家のアドバイスが必要になると思われます。

お財布を拾った場合なら、本来持ち主のところへ返すべきものなのですが、3か月間落とし主がわからない時は拾った人が所有権を取得できます。ただし所持禁止物件、個人情報関連物件などは、拾った人が長期保管しても所有権の取得はできません。ただ所有するだけでは権利は取得できないケースもあるのです。

 

NFTで取得できるのは著作権か所有権か?

著作権と所有権の違いはなにか?NFTで誤解されやすい大切なポイント!話題のNFTですが、クリエイターにロイヤリティが入るように、著作権と所有権については事前に理解しておきたいポイントになるでしょう。

 

NFTの著作権について

NFTの著作権についてはクリエイターが取得していますので、勝手にコピーや偽造はできないことになります。しかしNFTはブロックチェーン上で発行されるデジタルデータのため、この段階でコピーされないことが特徴。

著作権とは本来創作的表現に対しての権利なので、デジタルデータが有体物の対象になるかどうかは色々な議論もあるようです。一般的にNFT取引では、クリエイターが創作したアートや音楽などが購入者の手に渡っても著作権の移転はしないことになります。

購入者はクリエイターから著作物を購入した後、どこまで利用できるのかが問題になりますが、一般的な絵画や音楽のように複製や展示する場合は、著作権者の許可は必要になると考えたほうが安心ですね。

 

NFTは所有権が手に入る?

NFTコンテンツを購入した人は著作権を取得できるわけではありませんが、購入したものを転売することはできるので、所有権を取得すると解釈できます。

しかしNFT市場は急速に拡大しているため、法的な整備が完全でないことも注意が必要。NFTを保有することで知的財産権を所有していることにはならないと考える人もいますが、権利に関しては今後も改善される部分があるかもしれません。

 

NFTに関する法規制について

NFT取引に関する法的な規則には「金融商品取引法」や「資金決済法」などが関係するケースもあるかと思われます。多額の資金で取引する場合などは、専門家のアドバイスが必要になると考えられますので、不利にならないように事前にチェックしておくと安心ですね。

 

まとめ

著作権と所有権はNFT取引でも気になる部分ですが、気軽に売買できるプラットフォームも増えていますので、取引する際は信頼のおけるところを利用するのが一番ですね。

投資やコレクションとして、NFTの保有に興味を持つ人は増えています。どこまで自分のものとして扱えるのか、権利の視点から考えることもとても興味深いかもしれません。

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