NFTはレストラン業界まで発展し、デジタルデータが活躍するようになったとのこと。あらゆるものがNFTになっている今の時代、トレンドをいち早くキャッチして会得したいと思う人は多いかもしれません。
そこで今回は、ニュースでも話題になっているニューヨークにオープンしたNFT寿司屋のお話についてご紹介していきましょう。
世界初のNFTレストランとは何か?
NFTのレストランで実際に食事できるのか、それともアートのようなものなのか、疑問が色々と湧いている人もいるはず。そこで今メディアでも話題を集めているNFTレストランについて詳しく見ていきましょう。
世界初のNFT寿司レストランがオープン!
注目のこのニュースは、2021年12月に世界で初めてのNFTを使った寿司レストランのオープン発表がされたお話です。「Flyfish Club」と呼ばれるこのレストランは、正確な場所はリリースされておらず、ニューヨーク市内のどこかというだけ。
なぜNFTレストランと呼ばれるかというと、こちらのお店は2種類の「レストラン会員権」をNFTで販売したためです。1種類は2.5イーサリアム、もう1種類は4.25イーサリアムで販売。販売された時期の値段にすると、60万円~120万円という価格設定です。
会員権があると何ができるの?
NFT寿司レストランの会員権があると、あらゆる特典がつきます。会員権といってもメンバーシップカードのようなものではなく、トークン化された会員権になり、これを保有している人は月単位のリースや転売も可能に。
会員権の使い方次第では、新しいグルメのコミュニティが作れる可能性もありますね。レストランはすでにオープンすることがリリースされていますが、実際にオープンするのは2023年初頭とのこと。
世界初のNFT会員権のレストランは、話題性だけでもかなり注目したくなる場所です。
実際のレストランで体験できる!
NFTの寿司レストランは、会員権がデジタルデータになっている仕組みですが、ニューヨーク市内のビル内に実際にオープンした後は、実在するレストランで現実的な体験が可能です。
会員はメインダイニングルーム、カクテルラウンジの利用やスペシャルイベントに参加できる権利。もっと高いグレード会員になると、シェフの特別な握り寿司を堪能できるとのことです。
こちらのレストランでは、日本から空輸される新鮮な魚介類を使った料理が提供されるとのことで、シェフはニューヨークの寿司レストランで活躍する日本人シェフ。
会員権の購入には仮想通貨が必要ですが、レストランでは現金で支払うことができるので、NFTの世界を現実的に体験するというとても不思議な空間になると予想されています。
なぜNFT会員権を発売するのか?
会員権なら従来のように普通に販売してもよいはずなのですが、なぜNFT化のプロジェクトになったかというと、最大の理由はレストランの資金調達とされています。
フライフィッシュのメンバーシップは、ランクの違うタイプ2種類がNFT会員権となって販売されていますが、購入にはイーサリアムが必要になります。一般の販売は2022年1月から開始しており、すでに15億円ほど販売完了しているとのこと。
かなり高い会員権ではありますが、メンバーにとっても唯一無二の価値があるコンテンツを保有することになりますし、万が一不要になったらNFT売買で現金化することも可能なのです。
デジタルデータの会員権を、あらゆる意味でもっと価値のあるものへと変えたことになりますね。
フードビジネスでNFTが活用されている例
NFTは音楽やアート、ゲームなど、あらゆるところで注目されていますが、最近は不動産関連やファッション業界にもNFTが登場しています。ニューヨーク市内でレストランがオープンするように、これからはフードビジネスでもNFTが盛り上がると想定されていますが、すでに次のような活用例が開始されています。
レシピデータ
飲食業や食品業界ではあらゆる「フードNFT」を開始していますが、最近の注目の話題では、レシピデータをNFT化したお話もあります。「フードNFTコンソーシアム」という会社は、食と健康、環境問題やあらゆる消費者のニーズに合った食べ物のレシピをNFT化して市場に送ることを目的とした会社。
Symbolというパブリックブロックチェーンで、レシピデータと味データをフルオンチェーン形式で記録保存してNFT化します。それによりデータで保有者の情報は恒久的に記録され、NFT活用が可能になるという仕組み。
同じような取り組みで、世界初のNFTフードとして健康チョコレートレートブランドの「メディカレート」が2022年のバレンタインに発売したケトサポートでは、レシピデータと味覚データをNFTで提供しています。
フライド・ヤードバードのレシピもNFTに!
2021年7月に、アメリカのビール大手メーカーのステラアルトワ社が、有名な料理人のマーカス・サミュエルソン氏のフライドチキン「フライド・ヤードバード」のレシピをNFTオークションで出品。レシピのNFT化はとても斬新で、当時かなり話題を集めていました。
グルメNFTの立ち上げも注目
ビートルズのポール・マッカトニーの妹ルース・マッカトニーと、アメリカの著名な料理人のスキナー氏が立ち上げた「グルメNFT」。こちらではNFTレシピの販売を行い、コレクターやファン同士がつながる場として、シェフのレシピの画像や動画をアップロードするとのことです。
食べ物とNFTとは、世界中ですでに強力なタッグを組んでいることがわかりますね。
ラーメンNFTもあり?!
NFTのレストランは実際に食事ができる場所で、しかもメタバース空間があることが特徴。そんな海外での動きに負けず、国内でもラーメンNFTの実証に挑むプロジェクトが始まっています。
2022年3月、ラーメンの唯一性を確立するために「NFT(ヌードルファンジブルトークン)」を活用するとのお話も。一体どのようなラーメンNFTになるかというと、有名ラーメン店の暖簾分けをNFTで独立店として経営するという仕組みを活用することがコンセプトです。
暖簾分けは人気ラーメン店ならよくあることですが、中には真似をして開業する人も少なくなく、違法な手段でビジネスを展開するため法的な手段になることも。
日本の食文化に欠かせないラーメンをNFTの技術で知財化するという取り組みが始まっています。
バーガーキングのNFT活用例でわかること
アメリカの大手ファストフードチェーンのバーガーキングが展開した「Keep It Real Meals」というキャンペーンで、NFTのゲームコンテンツを活用した事例がすでにあります。
このキャンペーンでは、有名な3人の歌手がそれぞれ自分でカスタマイズしたハンバーガーをセットメニューにして販売。この目的には、バーガーキングが人工添加物を120種、全てのメニューから排除する取り組みをアピールすることが組み込まれています。
キャンペーンでは、NFTプラットフォームのSweetとの提携によりオリジナルゲームを開発。ハンバーガーを購入すると、ボックスにQRコードが表示されるようになり、スキャンするとプラットフォーム上でNFTを獲得して保管できる仕組みです。
このような日常によくある外食風景にも取り入れることで、NFTがもっと身近な存在になるのは確かでしょう。飲食店の来客数もアップしますし、注目されればNFTの価値も上昇することが期待できるというわけです。
まとめ
NFTのレストランがオープンするのは衝撃なニュースですが、すでに飲食業界ではNFTの活用を独自にスタートしているケースがたくさんあります。グルメファンと関係性も強くなりつつあるNFT。今後の展開がより楽しみになりますね。