NFTが販促のテクニックとして導入されるケースが最近とても増えています。個人的な投資や趣味だけでなく、世界中の大手企業やビジネスパーソンが注目する理由は、NFTには独自の魅力や宣伝効果があるからだと思われます。
そこで今回は、NFTと販促についての関係を詳しくご紹介していきましょう。
NFTの魅力ポイントについて
NFT(Non-Fungible Token)は、アートやエンタメ業界をはじめ、あらゆるところで広がりを見せています。そもそもNFTにはどのような魅力があるか、ポイントごとにご説明していきますね。
唯一無二の固有性がある
NFTが販促でも使われるのは唯一無二の固有性があるためで、今までのように世界にひとつしかないものだと、かなり高額で一般の人の手に渡らない名画、名車などが挙げられます。
NFTはブロックチェーン技術を使ったデータ単位で、「代替え不可能なトークン」。デジタルデータには固有の資産価値がつきますので、高値で取引される可能性があります。
仮想通貨でコンテンツの取引を行い、全ての取引データは記録され、ブロックチェーン上では偽造や改ざんはできないので、世界にひとつの名画を保有するような希少価値が手に入るのです。
誰でも取引に参加できる
NFTは有名な画家やデジタル業界に精通した人だけでなく、誰でも作成や販売ができることが特徴です。ブロックチェーンや仮想通貨といわれるとハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、NFTの発行や購入までのステップはとても簡単。
作成する場合もNFTマーケットプレイスを使い、イラストなどのNFT作品を作ることができるのです。小学生のアートが数十万円で落札されるケースもありますので、NFTはあらゆる年齢や職業、人種など、幅広く関心を寄せることができるものと考えられえます。
二次流通で収益が得られる
NFTは唯一無二の自分だけが保有するデジタルデータで、クリエイターが販売したNFTは購入者が二次流通される時にもスマートコントラクト機能を利用することで、収益が発生します。
ロイヤリティと呼ばれるこの収益は、転売が繰り返されるたびに発生するので、原作者の手を一度離れてしまっても利益還元が続く仕組みはとても大きな魅力になるでしょう。
最近は「投げ銭」と呼ばれるブームもあるように、ファンのサポートとしてもNFTは需要が増えると期待されています。
あらゆる分野で活用されている
NFTは販促だけでなく、あらゆるところで活用が現在も広がっています。たとえばデジタル村民権を付与した山古志村や高級ワインなどの食べ物にNFT技術を活用する場合。
他にも不動産やゲーム、音楽など、さまざまな分野でNFT技術が使われることで注目度が高まります。最先端のテクノロジーを導入すればNFTビジネスも成立しますので、販促としても見逃せないのは納得ですね。
分割できない
NFTが販促戦略になるのは、デジタルデータが固有の唯一無二の価値があるため分割できない性質があります。たとえば人気があるNFTゲームのアイテム。一部を購入したいと思ってもできないため、資産価値をそのまま維持できるのです。
同時に唯一無二を証明されているものなので、コピーが作れないことで希少性がアップし、デジタルデータ自体が価値を生む存在となります。
さまざまなジャンルがある
NFTアートが最初に注目されたために、イラストや絵画だけが対象になると思っている人も多いようですが、NFTはデジタルデータで多数のジャンルがあることも魅力です。
もちろん今後も増える可能性があり、アート関連だけでなく多種多様なビジネスシーンでNFTを導入することが可能になっています。あまり関心を示さなかった企業も近年強い興味を示し、NFT市場に参加しているようですね。
マーケティングに導入される例について
NFTを販促戦略として導入したケースについてご紹介しましょう。企業が期待することや目的とは何か、NFTの活用方法からわかることを詳しく見ていきます。
アーティストのチケット
海外のアーティストがNFTを発行するケースがとても増えていますが、エンタメ界がNFT販促を行うケースとして、日本ではNissy(西島隆弘)さんのNFTが話題になりました。
新曲のミュージックビデオに登場するチケットをNFT化したところ、販売数2400個は一日かからず完売。さらにTM NETWORKも、ライブツアーのオープニング曲とメンバーのメッセージがついた4分ほどの動画のNFTは、販売前からかなり話題となりすぐに売り切れるほど反響がありました。
このようにNFTはファン層を強化するだけでなく、NFTに関心を持つ人をさらに増やし、知名度や話題性を高められることはビジネスチャンスにも有利になると考えられます。ファンとのつながりが強くなれば、アーティストも活動しやすくなるでしょう。
企業の広告宣伝
アメリカの大手ビールブランド「バドワイザー」が導入したNFT販促は「Budverse Cans Heritage Edition」と呼ばれるコレクションで、全部で1936個。
この数字は、バドワイザーが初めて缶ビールを発売した年の1936年を表しています。缶ビールをモチーフにしたNFTで、バドワイザーの歴史を語る写真や広告などをデザイン。
2種類で提供されたNFTですが、36個のゴールドNFTと1900個のコアNFT、どちらも販売後数時間で完売。すでにNFTマーケットで二次流通もされており、取引量は数億円に達しているともいわれています。
NFTの発行は企業の宣伝にもなりますが、バドワイザーは提供予定の「バドバース」というサービスに参加するための鍵としてNFTを発行。デジタルコンテンツを使うことで、宣伝効果や注目度がアップすることは間違いないでしょう。
地方の活性化
NFTの販促は企業だけでなく、コミュニティにも大きなメリットをもたらします。たとえば地方自治体の価値をさらに発掘するための「ゆるキャラ」を活用したマーケティングがすでにありますが、これと同じく新しいビジネスモデルとして地域振興のイベントでNFTを発行する動きも注目。
地方の歴史をアートや写真としてNFT化することで未来に伝達するケースもあります。今まで地方のプロモーションは、若い年齢層には難しい部分もありましたが、NFTの活用によりあらゆる人を対象に観光業の活性化なども期待されるでしょう。
企業の資金調達
NFTを販促として使うことは、企業の資金調達にもなります。経営が不安定になってきた企業がNFTを発行するケースや、新しいビジネスの立ち上げの際にNFTを発行するなど。
NFTは唯一無二の希少価値がありますので、購入した人も投資的な扱いができるため、高額なNFTでも手に入れたくなるでしょう。発行した企業にとって二次流通のロイヤリティは大きな収益につながる可能性もあるので、今後もさまざまな企業がNFTを使った資金調達を行うと考えられます。
マーケットプレイスやゲームの開発
NFTビジネスは販促として使うこともできますが、新たなサービスがどんどん増えているNFTマーケットプレイスやNFTゲームの開発も、かなりハイレベルなビジネスモデルとなります。
システムの構築と運用は、一般企業では参入するのが難しい部分はありますが、将来的には企業が運営するNFTマーケットプレイスなども登場し、さらに顧客や取引先に向けたプロモーション効果が期待できるかもしれません。
大手企業がゲームを開発してNFTアイテムを販売しているケースもあり、かなり関心を集めていることは確かですね。
まとめ
NFTの販促戦略はとても有効的です。唯一無二の価値があることは、企業の集客効果や宣伝として注目したい魅力的なポイント。人気キャラや著名人などを起用したコラボNFTなどもありますので、ビジネスチャンスを掴むためにもNFT市場は興味を持つべき分野なのでしょう。