メタバースオフィスとは、どのようなオフィスなのかご存知ですか。時代背景の変化により働き方も大きく変わり、在宅勤務やリモートワークなど、オフィス以外での働き方が近年注目されています。
そんな中でも今とても話題になっている「メタバースオフィス」について、今回は詳しくご解説していきましょう。
メタバースオフィスについて
メタバースオフィスとは何か、特徴やできることなどをポイントごとにご説明しましょう。
メタバースについて
メタバースは「Meta」と「Universe」を合わせた「Metaverse(メタバース)」という英語で、違う次元の世界を示します。大きなニュースとして話題になった、Facebookが社名変更して「Meta」になったことはすでにご存知の人も多いでしょう。
メタバースは、インターネット上に存在する三次元の仮想空間の呼び名。ブロックチェーン技術を合わせると利便性や安全性が高くなり、ビジネスに導入するとさらなる収益も期待できるといわれています。
メタバースはすでにゲームなどにも導入されており、他のユーザーとコミュニケーションをとるなど、あらゆる手段として活用されています。また「VR」というのは、メタバースに似た言葉で混同しやすいですよね。
両者の違いは、メタバースは仮想空間そのもののことで、VRは仮想空間を体験するために使う技術や手段などのことです。
メタバースオフィスとは?
仕事の在り方や働き方を変えるツールとして、これからどんどん普及するといわれる「メタバースオフィス」。オフィスが仮想空間内にあると解釈するとわかりやすくなりますね。
メタバースは、インターネットに存在する仮想的な空間オフィスとして利用できるもの。ここでは社員同士がコミュニケーションをとったり、オフィス内で実際に作業したりしているような感覚で利用できる可能性があります。
メタバースオフィスが注目されているのは、テレワークでのコミュニケーション問題が理由のひとつ。アプリを通じてミーティングや仕事の打ち合わせなど、最低限必要なことはできても、孤独感を抱き仕事がしにくいと感じる人もいるようです。
すでに確立されたテレワークですが、メタバースオフィスはテレワークをしながらさらにコミュニケーションを有効に行うための新技術と考えるといいかもしれません。
メタバースオフィスの種類について
メタバースを導入する例にはバーチャルライブがありますが、現実世界のように同じ空間で皆が時間を共有している感覚が、ストリーミングサービスやオンライン動画を見ているのとは違うポイントでしょう。
メタバースオフィスにはいくつかの種類があり、VRを使う3Dメタバースでアバターが実際に作業をする感覚のオフィス、またはアイコンや2Dアバターを使った2Dメタバースで自然なコミュニケーションを導くメタバースオフィスもあります。
メタバースオフィスでできること
メタバースオフィスといっても機能は色々とありますが、できることとして注目したい点は、まずリアルなコミュニケーションがあります。従来のビデオ通話会議では、画面越しに皆の顔を見ていましたが、メタバースオフィスになるとオフィス内に存在する自分の代わりとなるアバターが対面でそれぞれやりとりできるようになります。
ゲーム内のキャラクター同士が話をするような感覚ですね。そしてメタバースオフィスの機能は、画面や資料を共有できること。今までは相談しにくかった細かいことを、チャット機能と合わせて確認できるようになります。
メタバースというと無限の空間をイメージする人もいるかもしれませんが、メタバースオフィスはレイアウト機能があり、アバターの位置確認ができるので、コミュニケーションのタイミングが掴みやすくなります。
メタバースオフィスにより勤怠管理、オンライン会議、フロアデザインなども可能になりますね。
メタバースオフィスのさまざまなメリット!
在宅勤務で不都合を感じた人は多いはずですが、メタバースオフィスが導入されると次のようなメリットが体験できる可能性があります。
コミュニケーションが効率的になる
従来のテレワークのコミュニケーションには限りがあり、上司や部下、同僚などが今どのような状態なのか把握しにくい部分がありました。その点を改善できるメタバースオフィスは、アバターでスタッフが表現されますので、現在仕事中か、会議中か、話しかけても大丈夫か?といった状態を判断しやすくなります。
リアルな状況を仮想空間に表示している状態なので、離席している人もすぐに画面上で確認できます。テレワークだと相手の状況がわからないので、コミュニケーションを躊躇してしまう場面もあったでしょう。
メタバースオフィスになれば、社員同士がさらに快適な環境でやりとりしながら作業ができるようになるはずです。
勤務状態や作業の進行状況がわかる
チャットやビデオ会議では、その時しか相手の状況がわからないため、勤務状況や作業の進捗状況を把握しにくいと感じた管理職の方も多いでしょう。メタバースオフィスのメリットは、誰が出社してどのような作業をしているのか、ステータスで表示されるので、勤務状況が可視化されることは大きな進歩になるでしょう。
在宅では仕事なのか遊びなのか把握しにくい部分があり、働く人も緊張感がなくなるデメリットもありましたよね。業務の進捗状況を細かく報告する手間がなくなるので、作業効率もアップします。
地域限定は不要になる
都会で働くために地方から引っ越してきたり、逆に地方のオフィスに転勤になったり、今までの働き方は勤務地がライフスタイルにも影響を与えるほどでした。そのために優秀な人材を確保できないのは、企業だけでなく経済にとってもデメリットになるでしょう。
しかしメタバースオフィスを導入すれば、居住地域を限定せずどこでも勤務できることがメリットです。将来的には同時翻訳機能を導入して、海外のスタッフを採用することも可能になるでしょう。
NFTが報酬になる
メタバースゲームでNFTアバターがマーケットプレイスで高額で取引されているように、メタバースとNFTはとても関連性が高くなっています。今まで難しかったデジタル資産の価値が注目されている今の時代、メタバースオフィスでは新たなインセンティブの導入として、仕事に応じてNFT化したアバターを取得できることも可能。
ボーナス代わりにNFTアバターをもらうということも将来的にはあり得るでしょう。NFTは高額取引が期待できますので、スタッフにとっては新たに働くモチベーションがアップするかもしれません。
注意点について
すでに国内では、伊藤忠商事株式会社やエン・ジャパン株式会社でメタバースオフィスを導入しています。しかし注意したいポイントもあり、メタバースオフィスはまだまだ開発の余地が残されている分野で、発展段階であることは理解が必要です。
企業にとってはマッチしないサービスもあるはずなので、しばらく様子を見てから導入したいという考えもあるでしょう。またメタバースオフィスは、快適な通信環境を整備することが必要。
インターネットは各家庭で常時接続が難しいことも考えられますし、外出時の対応を含め、モバイルWi-Fiを保有することも必要になるかもしれません。
まとめ
メタバースオフィスは導入が広がっています。メタバース市場は将来的にも拡大すると期待されていますので、仕事とNFTもさらにつながりを強化する可能性はあるでしょう。
通勤する手間がないことは在宅勤務の魅力で、さらに仮想空間で作業をすることは大きな刺激にもなるはずです。
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