マスターカードでNFT購入ができるようになるという最新ニュースは、仮想通貨市場でとても話題を呼んでいます。NFTの購入は複雑で、決済手段が壁となり諦めた人も多いはず。
そこで今回は、NFT最新の動きとして注目されている、マスターカードのNFTマーケットプレイス参入に関するお話をご紹介していきます。
マスターカード利用者がカードでNFTを購入可能に!
マスターカードといえばVISAカードと並び、世界的に決済サービスを提供しているおなじみの企業です。では先日マスターカードが発表した、気になるニュースの概要を見ていきましょう。
従来のNFTの購入決済方法について
NFTアートなどを購入したいけれど、どこで買えるのかわからないという疑問や悩みは多いでしょう。まず簡単な流れをご説明しますと、NFTを購入するにはまず仮想通貨取引所の口座開設をしてウォレットを作成し仮想通貨を入金します。
続いて一般の通販サイトのような存在にあたるNFTマーケットプレイスの会員登録を行い、ログイン後に気に入ったコンテンツを購入。ここで決済する際に使うものが仮想通貨で、主にイーサリアムなど、マーケットプレイスごとに指定されているという仕組みです。
稀にクレジットカードに対応しているところもありますが、数はまだ少なく、NFT購入するまでのステップが面倒であるということは今後の課題になるでしょう。
NFT購入をマスターカードで可能にする
NFT購入でマスターカード決済を拡大させるというニュースは、2022年6月9日に発表されたばかりの新着情報。詳しい時期などはリリースされていませんが、マスターカードの発表によると、仮想通貨決済スタートアップの「ムーンペイ」と連携してNFT決済導入を可能にするというものです。
対応するNFTマーケットプレイスには、イミュータブルエックス(Immutable X)・キャンディーデジタル(Candy Digital)・ミンタブル(Mintable)・スプリング(Spring)・ニフティゲートウェイ(Nifty Gateway)などが現在挙げられています。
この決済が可能になると、ユーザーは自分のマスターカードで直接NFT購入ができるようになるため、仮想通貨を保有する手間が省けることになります。
マスターカードが決済ネットワークに注目する理由
マスターカードでNFT購入ができると、仮想通貨への関心もさらに高くなるかもしれません。なぜ米大手の決済サービスが自社のNFT決済ネットワークに乗り出したかというと、その背景には同社が行った調査結果が関係しているともいわれています。
世界40各国の人を対象にした結果、回答者の半分近い人がNFT購入の経験があるとのこと。まだ日本ではあまり馴染みがなく、用心深く動向をチェックしている人のほうが多いかもしれませんが、グローバル的にはNFT市場は急速に拡大中であることがわかります。
さらにこの調査結果では、消費者の半分がNFT購入の際にもっと柔軟な選択肢があるといいと回答。そんなユーザーのニーズに応えるためにも、マスターカードはNFT市場にとても強い関心を示しているのかもしれません。
コインベースはすでに提携
NFT販売にクレジットカード決済を導入すれば、仮想通貨の取得プロセスがなくなりストレスフリーになることがメリットでしょう。マスターカードのNFT購入の決済導入については、すでに始動している仮想通貨取引所のコインベースの存在も忘れないようにしたいですね。
2022年1月18日に米ナスダック上場の仮想通貨取引所のコインベースは、マスターカードと提携したとニュースが発表されました。これにより仮想通貨の入手が簡単になり、NFTのクリエイターをサポートしたり、ユーザーの参加がしやすくさせたりすることが目的。最終的にNFT市場を繁栄させるためのベストな手段として期待されています。
マスターカードの将来的な可能性
マスターカードはNFT購入の決済を簡単にし、気軽にNFT市場に参加できる環境作りに一役買っていることは確かでしょう。さらにマスターカードは、すでに15件の商標登録を申請していることにも注目したいところ。
この申請のひとつは、おなじみのキャッチコピー「プライスレス」をNFT形式の音楽ファイルやアート、テキストなどを含むマルチメディアファイルで使う用途を示唆しているとのことです。
マスターカードのロゴマークを、仮想世界のメタバースで文化イベントやスポーツイベント、チャリティ資金調達サービスなど、あらゆる場所で使用できるよう申請していることもわかっています。
具体的なリリースや商標活用について、現時点でははっきりしていませんが、将来的にNFT市場がさらに活気づくことは想定できそうですね。
ムーンペイについて
マスターカードでNFT購入ができるようになるニュースで触れられた「ムーンペイ」との連携ですが、どのようなサービスを行う会社なのか詳しくご説明していきましょう。
オンラインカジノの電子決済サービス
マスターカードのNFT決済で欠かせない存在になるのが、オンラインカジノの電子決済サービスを行うムーンペイです。オンラインカジノはさまざまな決済手段がありますが、新時代のカジノでは仮想通貨で入金することも可能になっています。
その際の面倒なプロセスを省き簡単になったものが、入金専用の電子決済サービスのムーンペイです。NFTアートの購入のようにオンラインカジノで仮想通貨を使う場合も、取引所の口座開設やウォレットの準備など、少し面倒な作業が伴ってしまいます。
ムーンペイはこのようなステップをなくした画期的なサービスといえますね。
信頼性は大丈夫か?
ムーンペイは仮想通貨ウォレットを使用せず、送金先のウォレットに自分のクレジットカードで入金が可能。日本ではまだ知られてないサービスですが、海外では仮想通貨が簡単に購入できるメリットが人気を集めています。
2018年イギリスでサービスが開始され、日本には2019年9月に登場。160か国で利用でき、オンラインカジノだけでなくオンラインショップでもすでに250以上がムーンペイの支払いシステムを提供中です。信頼性のあるマルタ国のVFAのライセンスも所有しています。
採用予定のNFTマーケットプレイスについて
マスターカードは、現時点で複数のNFTマーケットに決済システムを採用する予定ですが、その中でも注目しておきたいマーケットプレイス2社についてご紹介していきましょう。
イミュータブルエックス(Immutable)
イミュータブルエックスは、NFTマーケットプレイスのガス代が無料になるなど、独自の魅力をアピールしています。イーサリアムブロックチェーンで独自のプロトコルで動作を行う特徴があり、処理速度の速さは自慢のひとつ。
日本の取引所上場はまだですが、マスターカードの採用により今後の拡大が期待されています。
ニフティゲートウェイ(Nifty Gateway)
Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグに訴訟を起こして約70億円を和解金として勝ち取ったことでも知られているウィンクルボス兄弟が運営するニフティゲートウェイ。
仮想通貨取引所のジェミニの子会社で、このマーケットプレイスには欧米で人気のDJ、カルヴィンハリスやスティーブアオキが出品しているなど、とても話題性があります。
利用可能な通貨はイーサリアムですが、マスターカードが可能になると、取引はさらに簡素化されるため利用しやすくなりそうです。
まとめ
マスターカードの利用者は世界で29億人いるといわれていますので、NFT購入がカード決済可能になると、さらにNFT市場も活気づくのではないかと思われます。
お手持ちのカードを早速チェックしてみましょう。今はあまり興味がないという人も、手軽なNFT取引ができるようになると、きっと関心を持つようになるはずです。