イーサリアムのガス代は、NFT取引の際、思った以上に負担になることがあります。とくに転売に興味がある人などは、少しでもコストを抑えて利益を出したいと感じますので、ガス代は慎重に判断しなければならない部分になるでしょう。
そこで今回は、イーサリアムのガス代がなぜかかるのか、安くする方法などを詳しくご解説していきます。
イーサリアムのガス代の基礎知識
世界中で盛り上がっている「NFT」ですが、取引をスムーズにするためにも知っておきたい「ガス代」とは一体何か、まずは基礎知識について詳しくご解説します。
ガス代とは何か?
ガス代というのはNFT取引などで発生するもので、ブロックチェーンを使うための「手数料」のような解釈です。NFTとは現物のアートや音楽ではなく、ブロックチェーン上で発行される「トークン」のこと。
たとえばNFTアートを購入する場合は、代金は仮想通貨を送金することが取引で一般的になっています。その場合はデータ計算処理が必要になり、支払い手数料がかかり、これらの費用がガス代と呼ばれるものになります。
マイナーについて
NFTと仮想通貨は大切な関係があり、NFT取引をする際にほぼどのケースでも仮想通貨は必要になります。その際にコンテンツの代金以外にかかるガス代ですが、ガス代が発生する仕組みに欠かせないのが「マイナー」と呼ばれる人たち。
マイナーとは英語のマイニング(採掘)という意味が由来になっている言葉で、仮想通貨の採掘者にあたるものです。マイナーは仮想通貨の送金や、受け取ったデータなどをブロックチェーン上に記録する処理を行う役目があります。
ブロックチェーンでは、仮想通貨の誕生からどのような取引がされたか、現在に至るまで全ての取引が記録されています。マイナーの行う計算処理に対しては、一定の条件が付与され報酬が得られます。
その報酬は計算処理した仮想通貨を無償で手に入れるというもの。報酬にあたるものはNFT取引をする人が払うガス代というわけです。マイナーには誰でもなれますが、現在は専門業者や団体がマイナーになるケースが一般的です。
イーサリアムのガス代の関係
イーサリアムのガス代が高いという話は、NFTを始めるとよく聞かれること。仮想通貨は他にも種類は色々とありますが、なぜNFT市場ではイーサリアムが取り上げられることが多いのか気になりますよね。
イーサリアムはNFT作品を作る際のプラットフォームとして必要で、その理由はスマートコントラクトを利用しているためで、分散型の取引ルールを定めるプラットフォートであることが特徴。
またブロックチェーン上で改ざん不可能なプログラムであることも、NFTと相性がよい理由です。仮想通貨というと有名なビットコインがありますよね。
ビットコインとの違いはイーサリアムの時価総額が多い、所有者や開発者が多いことも人気がある理由といえるでしょう。
イーサリアムのガス代が高い理由
NFTの取引でイーサリアムのガス代は誰しも不安になるところですが、なぜガス代は「高い」印象を受けるのでしょうか。ガス代は取引を検証するためのもので、ブロックチェーンのトランザクションが増えるほどガス代が高くなる仕組みがあります。
NFTでトランザクションが多いのはイーサリアム。ガス代は車の燃料をイメージするとわかりやすく、燃料がたくさん入っている車のほうが遠くまで走れることになります。
イーサリアムのガス代も同様に、リミットを高く設定すればそれだけたくさんのアドレスに届くということ。マイナーはガス代が高い取引を優先して処理しますので、ガス代が高いほうが取引の待ち時間は短く早く承認されることになるでしょう。
イーサリアムのガス代は、取引量が多いことが高くなる一番の理由ですが、それ以外にもトランザクションが多い日中の時間帯、または取引する国などによってもガス代が大きく変化します。
イーサリアムのガス代は高い傾向があり、また常に金額が変動していることも念頭に入れておきたいですね。
ガス代はなぜ必要か?
イーサリアムのガス代は「1gwei=0.0000001ETH」として計算し、ギガウェイという単位を使います。2021年からNFT人気が急速に高まり、ガス代は上昇傾向にあり、2月には1000ギガウェイを超える日もあったといわれています。
このようにガス代はNFT取引では重要な鍵を握りますので、理解してNFTを楽しむためにも、ガス代が必要な理由を詳しくご解説していきましょう。
ネットワークの負担を軽減させる
イーサリアムが高騰すればガス代も高くなります。近年NFT市場が拡大され注目を集めているように、イーサリアムはビットコインの次に人気がある仮想通貨へと成長しています。
NFT以外でもイーサリアムの売買は行われていますので、ブロックチェーンには多大な負荷がかかることに。すると想定されるのは、送金スピードが遅くなり取引がスムーズにいかないこと。
送金スピードの負担を一定以上超えないためにも、ガス代がコントロールする意味があるのです。
セキュリティが高くなる
ガス代はないほうがユーザーにとってはありがたいですよね。しかしガス代があることで、結果的にはブロックチェーンやネットワークのセキュリティを高めることにもなっています。
過去イーサリアムはサイバー攻撃にあったことがあり、セキュリティの脆弱性が問題になったことも。イーサリアムは全ての取引でガス代が発生するため、サイバー攻撃をする人もガス代を払うことになります。
その仕組みは攻撃者にとっても負担になるため、セキュリティを強化できることはガス代のメリットにもなりますね。
ガス代を安くする方法について
イーサリアムのガス代は安くするコツがありますので、これから苦戦しないためにも参考にしてみてくださいね。
ガス代上限を設定する
ガス代の上限を設定するには、イーサリアムブロックチェーンにXギガウェイ(X gwei)をガス代の合計として送ると伝える手続きが必要です。しかしこの方法で上限を設定しておくと、取引完了後に実際にかかるガス代との差額分が返金されることになりますので、想定以上にガス代を払う不安もなくなります。
ただし低く設定すると、支払ったガス代が戻ってこないだけでなく、取引も差し戻される可能性があるので注意しましょう。
安いタイミングに取引する
イーサリアムのガス代は、取引が多い時間ほど高くなる特徴がありますので、NFT取引を行う前にガス代を確認し、安いタイミングを見つけておきましょう。
イーサリアムのガス代チャートはネットで確認ができます。ガス代は常に変動していますので、平日や週末、朝、夜間など、全体的な変動を理解しておくと取引タイミングも掴みやすくなるはずです。
セカンドレイヤーを使う
イーサリアムは取引量が多く、ガス代は高くなりやすいブロックチェーンなので、ガス代を節約するなら高騰しないセカンドレイヤーと呼ばれるポリゴンなど、別のブロックチェーンで発行されるNFTを取引することも方法です。
イーサリアムのほうが圧倒的にNFTのラインナップは多いといえますが、コストを抑えたい人なら検討する余地はあるでしょう。
まとめ
イーサリアムのガス代は高いとよくいわれますが、最近はNFTゲームでイーサリアム以外のブロックチェーンが使用されることも増えていますし、ガス代無料のNFTマーケットプレイスも増えています。
ただしガス代には重要な意味もありますので、デジタル資産を保有するためにはセキュリティや取引速度の点からも考えて、納得できるブロックチェーンを選択することが必要ですね。